食べものの味覚的意味
動物にとって味覚は安全性を判断するための目印だと考えられている
◎味覚を形成する基本五味
甘味・・・糖(炭水化物)のシグナル、エネルギーになることを示す
うま味・・・たんぱく質のシグナル、身体のもとになることを示す
塩味・・・生体に必須のミネラルの情報、適度な摂取を求める
酸味・・・腐敗物のシグナル、生もので腐ったものは酸っぱくなる
苦味・・・毒物のシグナル、水に溶けないものは苦い
食事調査の方法
・24時間思い出し法
前日24時間に摂取した食品をすべて思い出して記録する方法。聞き取り内容をもとにするため量的な誤差が生じる場合がある。対象者の負担も少なく簡便に行えるため集団に対する調査方法として有効である。個人に対して繰り返し行うことで平均的な摂取量や食習慣の把握が可能になる。
・食事記録法
一定期間に摂取した食品の種類やその重量あるいは目安量などをそのつど記録用紙に記載する方法で、記憶による曖昧さが小さくなる。量的な計測には実際に計量する秤量記録法と目安量から判断する目安量記録法がある。目安量記録法では精度を良くするために近年では撮影してもらった写真から推定することもある。思い出し法よりも対象者の作業がある分負担も大きくなる。
・隠膳法
対象者が摂取した料理と同じものを同じ量だけ余分に作り定量分析する方法である。摂取量を正確に把握できるが費用や手間が大きく現実的でない。
・食事摂取頻度調査法
過去の日常的な食習慣により摂取している食事内容を把握する方法である。アンケート調査のため特異的な食事内容については把握しにくいが、調査内容を分かりやすくする工夫が必要である。24時間思い出しなどと組み合わせることでより詳細な食習慣の把握が可能になる。
適切な栄養素の摂取量とは
自分がどれくらいの栄養素を摂取すればよいのか
判断する基準として、日本人であれば
日本人の食事摂取基準2020年版があります。
年齢と性別により各栄養素の適切と考えられる基準値が記載されています。
各基準値の意味合いは
・推定エネルギー必要量・・・熱量(カロリー)
→エネルギー過不足によるリスクが最も小さくなる摂取量。
・推定平均必要量・・・たんぱく質、ビタミン、ミネラル
→特定の集団から測定された必要量から推定された性・年齢階級別の日本人の必要量の平均値。それぞれ50%の人は必要量を満たすと推定される量。
・推奨量・・・たんぱく質、ビタミン、ミネラル
→性・年齢階級ごとにほとんどの人が必要量を満たすとされる一日の摂取量。
・目安量・・・不飽和脂肪酸、脂溶性ビタミン
→推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠がない場合、性・年齢階級ごとの、良好な栄養状態を維持するのに十分な量。
・目標量・・・たんぱく質、脂質、糖質(エネルギーバランス)、ナトリウム(塩)
→生活習慣病の一次予防のために現在の日本人が当面目標とすべき摂取量。
・耐容上限量・・・脂溶性ビタミン、微量ミネラル
→性・年齢階級ごとにほとんどすべての人が、過剰摂取による健康障害を起こすことがない栄養摂取量の最大限度量。
となります。ややこしい気もしますが、
個人で値を考えたいときは、
推奨量と目安量を基準に値を見ていきましょう